ネオジム磁石の特性


・表面処理
ネオジム磁石は、通常ニッケルメッキ(Ni単層または、Ni-Cu-Ni 3層)の表面処理が施されております。稀に、亜鉛メッキの製品もあります。


・グレード

グレード数が、大きくなるほど、磁力も強くなります。
同じサイズの場合、N数が大きいほうが、より強い磁石と言えます。

※Nは、Neodymiumの略。それに続く数字は、MGOe(メガガウス エルステッド)単位の最大エネルギー。
※現在は、N30~N52が主に生産されています (理論的には、N64まで可能)。



ネオジム磁石 各グレードの特性比較
グレード 残留磁束密度 保磁力 最大エネルギー積 キュリー点 使用温度
Br
(KGs)
bHc
(KOe)
iHc
(KOe)
(BH)max
(MGOe)
Tc
(℃)
Tw
(℃)
     Nom. Min. Nom. Min.     Nom. Min.        
N-35 12.1 11.7 11.5 10.8
>12.0
35 33
320-330
 <80
N-38 12.6 12.2 11.5 10.8
>12.0
38 36
320-330
 <80
N-40 12.9 12.6 11.0 10.5
>12.0
40 38
320-330
 <80
N-45 13.7 13.3 11.0 10.5
>12.0
45 43
320-330
 <80
N-48 14.0 13.6 11.0 10.5
>12.0
48 45
320-330
 <80


・吸着力
鋼板や鉄板に着いた磁石を引き離す時に 必要な力(張力)で
表中の値は、力量計での実測値です。
この値は、厚さ1cm以上の厚い鉄板への吸着力になりますので、
薄い鉄板の場合、吸着力は小さくなりますので注意が必要です。
また、接着するする金属の種類や表面の粗さなどにより、表の値より小さくなる場合があります。


・磁化方向について
特殊な場合を除き、一定方向に磁化されております。
円板・円柱 : 厚さ方向に磁化(平面上に、S極、N極があります)。
直方体   : 1番薄い方向に磁化されています。
球      : 対向する球の表面に、S極、N極があります


※側面方向などの特殊な磁化方向の場合、商品タイトルにその旨記載してあります。



・使用温度について
特殊な場合を除き、使用温度は80℃以下でお使い下さい。
80℃以上の高温にも使用可能なネオジム磁石は、グレード数の後に以下の記号を付けて表されます。

 M  100℃
 H  120℃
 SH  150℃
 UH  180℃
 EH  200℃
 AH  220℃



・ガウス強度分布

ディスク 円柱 立方体 直方体 リング

※図中のガウス数は、形、サイズ、グレードにより異なりますのでご注意下さい。






・物理特性/機械特性





※使用上の注意

大きさが25mm以上の磁石は、磁力がかなり強く危険ですので、十分注意し自己責任でお使い下さい。

・心臓ペースメーカー等の体内植込型医療用電子機器を装着している方は使用しないで下さい。また、装着している方に近づけないで下さい。
・磁石を誤って飲み込むと、生命に関わる事故につながる可能性があります。飲み込んだ磁石が体内で滞留すると、開腹手術が必要になる恐れがあるので、万一飲み込んだ場合は、直ぐに医師の診断を受け、指示に従ってください。
・小児(6才以下)及び監督を必要とする方が、磁石を手に取り誤って飲み込む恐れがあるので、小児及び監督を必要とする方の手の届かない場所に保管してください。
・磁石同士又は磁石が吸着する物体に近づけた場合、指や皮膚をはさみ怪我をする危険があります。

・磁石同士、または他の物に吸着して強い衝撃が磁石に加わった場合、磁石本体、表面処理がカケる、または剥がれる場合があります。
・磁石が互いに吸着した場合、磁力が強いために離れなくなることがあります。サイズが大きくなると磁力は強くなります。
・磁石を安易に放置すると、周囲の磁石や金属を勢い良く引き寄せ危険です。
・磁石をブラウン管に近づけないで下さい。ブラウン管が変色します。
・磁石を携帯電話、アナログ時計、フロッピーディスク、磁気カード、磁気テープ、乗車券に近づけないで下さい。記憶内容が破壊される危険があります。






TOP